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植田明志 「まねのこ」

¥44,000 税込
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「記憶」を媒体とした空間造形から、


ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志(うえだあきし)。


無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、


その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。












個展「虹の跡」用作品。


「まねのこ」と題されたオブジェ。


「虹の跡」の物語の舞台である、記憶が降り積もって出来た山。


その山に棲む、妖精のような不思議な存在であり、


記憶の案内人であるキャラクター「ポーポー」のキグルミを被った子供を造形した作品です。











「ポーポー」たちが寂しくないようにキグルミを被った子供。


「ポーポー」の尻尾を模したクッションの上で、「ポーポー」たちを


待っていますが、いつしかウトウトと眠ってしまっています。











キグルミを着た子供と、尻尾のクッションは


別々に造形されていますので、取り外しが可能です。





石粉粘土。アクリル彩色。


奥行き:約10㎝。


横幅:約8㎝。


高さ:約8.5㎝。




※こちらの作品は、植田明志個展「虹の跡」会期終了後(2016年11月16日)のお渡しとなります。



※こちらの作品はラッピング対象外となっております。

















「ポーポー」


昔、妖精を—きっとあれは妖精だったのではないか−、見たことがある。


それは色んなところに居て、例外なく尻尾に体を沈ませていた。


中には飛んでいるものも、どう見ても怠けているようにしか見えない者など、多種多様だった。







僕以外だけじゃなく、周りの仲間たちも見えているようだったが、


それを口に出す者はひとりもいなかった。


まるで、気づいていないようなそぶりをするのだ。














彼らは、じっと僕の目をみて、その手を小さくぱたぱたさせたり、


口をプルプルと震わせていたりするだけだったが、


僕に何かを伝えようとしているように思えた。


彼らは何かの使いなのだと思った。








つまんで手の上に乗せてみると、僕と、彼が立っていた場所を交互に見始めた。


彼らの立っていた場所には、何かの跡のようなものがあった。


何かでひっかいた跡や、刻まれたふたりの名前、死んだ虫。


気づくと、手の上からは彼らは消えていた。















僕は、すこし考えて、


誰にも気づかれずに死んだ虫の死骸を、


近くにあった白い花の下に、そっと埋めた。







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