「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志(うえだあきし)。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。

個展「遠すぎるパレード」用作品。
「スターメリー」と題されたオブジェ作品。
回転するギミックが仕込まれた、メリーゴーランドをイメージした作品です。

植田明志作品の物語世界においてアイデンティティの象徴であるキャラクター「テイテイ」。
宇宙を想わせる深青の身体にレース模様の首飾りをつけたテイテイが
流れていく時間を象徴する生き物「スターリン」の背中に乗っています。

中央の真鍮棒を軸にメリーゴーランドのようにクルクルと回転します。
スターメリーの後部の尻尾の先にも前の顔とは異なる顔があり
未来を見据える前の顔と対称的に過去を振り返っています。

高さ:約24.5cm(台座下部からオブジェ本体上部まで) 。
横:最長 約17.5cm(オブジェ本体)。
石粉粘土、アクリル彩色、真鍮線、レース、木材。

昔、父に遊園地へ連れて行ってもらったことを思い出しました。
きっと、嬉しかったのだと思います。
それでも、メリーゴーランドだけは、なんだか恥ずかしい気がして乗れないのでした。

くるくる。くるくる。
眠った馬たちが、上下に動いて、くるくる廻っています。
きっとこれはタイムマシンなのだと思いました。

ずっと見ていると、きっとものすごい速さで回転しだして、
ぱっと光ったかと思うと、誰も乗っていないのです。
そんな気がしていると、父が手を引いてメリーゴーランドまで連れていくのでした。

しぶしぶ乗った僕ですが、綺麗な飾りを付けた馬たちは、少しだけ脈を打っているようでした。
この馬たちが目覚めるときは、きっと僕は宇宙の中。
天の川を伝って、僕は何処かへ消えてなくなってしまうのです。

まだ、みんなに「バイバイ。」も言っていませんでした。
泣きそうになりながら、僕は眼を瞑りました。

少しして眼を開けると、馬はまだ眠っていて
父がにこにこしながら、こちらを見ているのが見えました。
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