「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
「ジングウノツカイ」と題された平面作品。
骨のような姿をした魚の神様が淡いタッチで描かれた幻想的な作品です。
縦 16㎝ × 横 45.5㎝ 。
パネルに鉛筆、着色、透明樹脂。
※こちらの作品は植田明志個展「惑星少年」会期終了後、2013年4月21日以降のお渡しとなります。
お支払い方法は銀行振込、郵便振替、paypalのみとなり、代金引換便はご利用頂けませんのでご了承下さい。
「ジングウノツカイ」
「賽銭箱のお金たち、どこに行くか知ってる?」
少女は少年に尋ねた。風がそよぐ夏の夜のことだ。
「知らない。」
少年は首をかしげる。
「知らないんだ。お金は全部神様が持っていっちゃうんだよ。」
「透明な体の中に、キラキラお金を月の光に照らしながら泳ぐ、そんな神様。」
「泳ぐ?魚なの?」
「私も見たことがないからわからないの。」
秋の前の少し冷たい風が、幼い二人を導く。
「でも、この森で僕、ものすごく大きな鳥なら見たよ。ガサガサって。」
「じゃあ、きっとこの森は、魔法がかけられているのかもね。変な生き物が、沢山。」
「あ、ほら−−−−−−。」
キラキラ キラキラ
いろんな人達の願いと祈りを、月まで届けに行くんだ。
僕らの夢も、届けてくれるのかなぁ。