「記憶」を媒体とした空間造形から、ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
深い山に入り込んだ時にふと感じる気配のようなもの〜
古来より信仰の対象とされ、畏怖されてきた、山々の精霊や妖怪のような目に見えぬ存在に
姿・形を与えて具現化した通称 “山人(やまと)”と呼ばれるオブジェ作品。
「森象虫」と名付けられた小さな山人。
山人たちに共通した特徴である体表を覆う樹々のようなデティルに、5本の脚、
穏やかな表情をした象のような姿が、可愛らしい小作品です。
「森象虫」の特徴である尻尾は、ダンゴムシのようなデザイン。
背中にはキノコが群生しています。
そのうちの1本の上部には、胎児のような姿が造形されています。
植田明志の作品の中でも最小サイズの山人。
手のひらに収まるサイズの可愛らしい作品です。
横:約11㎝ × 高さ:約9 ㎝。(台座は付属しません)
石粉粘土、透明樹脂、セラミックスタッコ。
記憶を巡る旅。
その森は月を想う。
月と森が共鳴し合う。
共鳴は記憶を呼び覚まし、森を淡く照らす。
滲むように彼らはただ存在し、月を見上げ、光を食む。
そこは深い深い静かな、記憶が実る月の森。