「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
個展「遠すぎるパレード」用作品。
「白い星に揺られて」と題されたオブジェ作品。
木馬のような姿をした生き物 "staLin(スターリン)の一種に、
キャラクター "テイテイ" たちが乗っています。
石粉粘土。アクリル彩色。レース。
約18㎝ × 19㎝。
「白い星に揺られて」
ゆらゆらしている僕が居ます。
でも、しょうがないんだよねぇ。
だって、あなたがシーソーのように体を動かすから、
うんともすんとも、前に進んでくれないんだもの。
ほら、また決めて頂戴。
だってねぇ、僕は前に進みたいのだけれど、
それを決めてくれるのは、いつもあなただから。
でも、僕が振り返ると、決まってあなたは首を横に振る。
今はもう、あなたは真夏のプールに落としたガラス玉のように、
見えなくなってしまったねぇ。
この大きな宇宙に、あなたは落ちてしまったんだねぇ。
僕はずっとほんの少しづつ進みながら、ゆらゆら、ゆらゆら、
星を見たり後ろを振り返ったり。
だって、もしかしたらって。
だって、ほんの少しだけ、あなたの優しさを、背中に感じることがあるからです。