花と動物をモチーフに、日々の生活で感じたこと、見たこと、思ったことを
アクセサリーという最小のアートで表現する作家・ホアシユウスケ。
「林檎のなってた木」と題されたネックレス。
空には三日月が浮かび、林檎の木の下では小さなバクが静かに空を見上げています。
絵本の中から抜け出てきたような小さな世界。
見るものに様々な情景を想像させる、ホアシユウスケならではのアクセサリーです。
TOP部分 シルバー燻し仕上げ 全長:約3.5㎝。(林檎の木とバクのみ)
三日月 真鍮製 :約1.3㎝。
チェーンの長さ:約60㎝。
綺麗なリンゴがなっていた。
この街にこんな木があったなんて知らなかった。
同じ赤でもトマトは嫌い。リンゴは好きだ。
でもそのリンゴは触れなかった。
なぜだろう。
きっとこんな綺麗なリンゴ、なくなってしまうのが怖かったんだ。
僕はバク。白と黒が好き。
寂しがり屋の一人好き。
僕はもうおとなだから、一人でなんだって出来るんだ。
目を閉じるといつもの街で迷子になった。
外は寒いから鼻声になった。
迷子になったって問題はない。
帰りたい所がなかったら、迷子ですらないから。
そう僕は迷子なんかじゃない。
歩いている意味なんてない、彷徨っているだけ。意味の無い事だ。
寂しいのか怖いのか。薄暗い世界。
小さな女の子が言っていた。
真っ暗な所でも手をギュッと握っていると安心するって。
夜だって怖くない。
泣かない方法を知ってるかい?
下唇の内側を噛んで、シャツの裾をギュッと握るんだ。
僕は大丈夫。
僕はバク 。
僕の大好きなリンゴの食べ方を知っている。
あと大切な人の悪夢の食べ方も。