「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
個展「遠すぎるパレード」用作品。
「流れ星に乗って」と題されたオブジェ作品。
流星のようなデザインの乗り物に、キャラクター "テイテイ" が乗っています。
石粉粘土。アクリル彩色。レース。
約17㎝ × 25㎝。
「流れ星に乗って」
気づいたら星に乗っていました。
もしかするとですが、ずっと前から乗っていたのかもしれません。
もしかするとですが、僕が生まれた時に一緒にこの星も生まれたのかもしれません。
僕の周りでは、ずっときらきら光ったり、消えたりする銀河の明かり達が、
くるくる回って、まるでそれらが歯車のようにこの宇宙を動かしているようでした。
たまに歯車と歯車がぶつかったり噛み合わなかったりしているのを見かけると、
なんだか少し哀しい気持ちにも、なってしまうのでした。
僕の方はというと、この流れ星の先っぽが、少し不安げに、
でも少し得意げに、先を照らしていてくれているので、
なんとかここまでぷかぷか浮いてこれたように思えます。
少し錆びがついてきたこの星も、僕がこの宇宙の中に消えて無くなってしまう頃、
やっと自由にも、なれたりするのでしょうか。