世の中を代わり映えのしないものと決めつけ、本の世界に逃避する少年ペトリ。
ある時、秘密の洞窟で "ゾウの王様" に出会ったペトリは
王様から貰った石から現われた大きな黒い鳥の背中に乗って
世界に退屈するゾウの王様への贈り物を探しに世界を回る旅に出ます。
大きな身体にガウンを着て、頭に金の冠を乗せたゾウの王様。
アクセサリーでも尊大な態度のゾウの王様が表現されています。
ペトリがゾウの王様と出会う夢の中の世界をディオラマ風に表現。
ゾウの王様の頭上には、キュービックジルコニアがはめ込まれた星が
キラキラと光を放っています。
物語の中の情景の一部を切り取ったかのようなkataritoならではのユニークなブローチです。
アクセサリーとしてお洋服や帽子、鞄やストールなどの巻き物に着けて
コーディネイトのアクセントとしてお使い頂くのは勿論、
オブジェとして飾って頂いても可愛いです。
ブローチ本体:真鍮製。
ゾウの王様:シルバー925製。
キュービックジルコニア。
高さ:約3.7㎝。
横:約2.8㎝。
奥行き:約1.1㎝。
「ゾウの王様」
ある時、僕の住む何も無い村に王様がやって来た。
ただの王様じゃない、ゾウの王様だ。
彼が来たことは僕しか知らない。
夏の暑い日差しが照りつける日、決まって僕は秘密の洞窟へ行く。
そこで本を読んだり絵を描いたりして過ごすことが楽しみだった。
今日も川遊びを楽しんだあと、いつものように洞窟に向かった。
洞窟の入口に着くと前日の小雨のせいだろうか、
じっとりと湿った地面には大きな足跡があった。
洞窟に入り岩陰からそっと中を覗き見ると、大きなゾウがこれまた大きな椅子にどかっと座っていた。
その姿は図鑑で見たようなゾウではなく、頭に冠を被り、
身体にはフワフワした毛のついた衣に様々な装飾が施された赤いビロードのマントをまとっていた。
頭に被った冠が今にも天井にぶつかりそうだった。
「おい、お前は誰だね?
王様の俺に挨拶のひとつぐらいしないと失礼じゃないか」
ゾウが喋ったことに驚きながらもペトリは名乗った。
「ふむ。。。ペトリか。。。まぁ、そのイスに座りたまえ。
お前が驚くのは無理もない。
こんな立派な王様であるオレが突然現われたのだからな。
「これはオレの夢の中なのだよ。
そう、オレは今、自分の夢の中にいる。
だから何故お前がオレの夢の中にいるのか分からないし
ここが何処だかもオレにはわからんのだ。」
何故自分の夢の中に入り込めるのか僕がいぶかしんでいると
王様は大きな黒い瞳で僕をじっと見て言った。
「なぜ夢の中に入れるかだと?
オレの国では町中に本がたくさんあって、それぞれの本に夢が詰まっているのだ。
本をたくさん所持している者は眠る時に色々な夢を見られるし
そこに存在することも出来る。
もちろん、他人と貸し借りしても構わないのだ。」
王様はやや自慢げな顔になり話を続けた。
「王様のオレはとりわけ珍しいモノや特別なモノを多く持っているのだ。」