「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志(うえだあきし)。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
「スペースネイティヴ」と題されたオブジェ作品。
頭に流星の骨を被った宇宙の原住民を造形したシリーズです。
手に持った槍は別パーツになっており、
どけるとペン立てにもなります。
※写真はスパチュラを手に立て掛けています。
石粉粘土。アクリル彩色。
本体 縦:約16㎝。横:約9㎝。(足先から槍の上部まで)
台座に乗せた状態の高さ:約17㎝。
台座直径:約9㎝。
※こちらの作品は2017年6月19日以降の発送となります。
【スペースネイティヴ】
流星の骨を被る宇宙の原住民、スペースネイティヴ。
僕らの目に見える流れ星は、全身を燃やされて消えた後、
骨にだけになってどこかに落ちる。
スペースネイティヴ達はみんなが寝静まった後に、いそいそと宇宙から降りてくる。
彼らはそっと流星の骨を拾うと、30秒だけよいよい歌い踊ってまた帰っていく。
その骨は彼らの、星拾いのお祭りに捧げられたあと(ここでも歌い踊る)、
500歳の誕生日を迎えた子供に被せられていく
(それまでの子供には、流星の骨を被れるように加工するときにでる小さな欠片を、
お面のようにして頭に括りつけていた)。
その骨は、思考、感情、人間性を読み取り、歳を重ねるにつれて
大きさや形も変わっていくのだという。
彼らスペースネイティヴは、この限りなく広大な宇宙の中に、
少人数ではあるが確かに生き、生活している。