子供の頃、怖いと感じたこと、好奇心を抑えずにはいられなかった記憶などをテーマに
アクセサリーやオブジェ、洋服の製作、イラストやパフォーマンスなど、
幅広いジャンルに渡って表現活動を展開するアーティスト eerie-eery(イーリー・イーリィ)。
eerieによる立体作品、不気味で少しファニーな人形たちは、
作家自身の分身であるかのように物言わず静かに佇んでいます。
企画展「魂の或る場所」参加作品。
「海底の散歩者」と題されたオブジェ。
深い海の底を彷徨い、魂の込められたゴミや貝殻を拾う
孤独な散歩者を表現した作品です。
eerie作品の特徴である白く艶めかしい足に加え
その身体を支えるように車輪が付いた奇妙なシルエット。
身体にはアンモナイトや、珊瑚などが群生しており
海底で過ごす永い時を表現しているかのようです。
仄かな明かりを灯す頭部の電飾部分。
提灯アンコウの誘引突起を想わせる、その灯りは
暗い海底を照らし、ゴミや貝殻を探す為のものでしょうか。
頭部の電飾は、背中に背負った電池ケースでスイッチのON-OFF が可能。
電池、電球共に取り替えが可能となっております。
『海底の散歩者』
生き物の住めない深い深い海底に彼は独りで住んでいた。
彼はまるで世界にたった独りで生きているかの如く
ひっそりと海底を散歩する。
海底には沢山のゴミや貝殻が落ちていた。
彼はそれ等を拾う。
彼がそれ等を拾うのには訳があった。
それ等の中には様々な者達の魂が込められているのだ。
海底に眠る魂の容れ物達を拾う時、彼はもう独りでは無くなるのだ。
高さ:約36㎝。
奥行き:約22㎝(足先から背中の珊瑚の先端まで)。
横幅:約16㎝。
石粉粘土。木材。
※こちらの作品は企画展「魂の或る場所」会期終了後(2016年9月11日以降)
のお渡しになります。