「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志(うえだあきし)。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
「star traveler」と題されたオブジェ作品。
タツノオトシゴのようなボディの腹部には
植田明志作品の特徴である、眠るように目を閉じた子供の顔が造形されています。
"どこかの国の骨董店に埃を被ってひっそりと佇んでいるような"作品をイメージした今作。
アンティークの金属と、剥製のような有機的な部分が混ざりあったような
不思議なデザインは植田明志ならでは。
古美掛かった色味と質感の表現も見事です。
剥製をイメージした木製の台座にとまっており、
博物学的な魅力を感じさせるものとなっています。
「star traveler」
この珍客は、私の仕事机の片隅で、そっと体を休めていた。
竜のような飾りの冠は、目の様にみえるそれを光らせては、私に威嚇しているようだった。
この冠の主は、自分はスタートラベラーで、
星間旅行をしている者だと礼儀正しい口調でいった。
少し疲れた様子だったので、私は少し冷めたコーヒーに多めの砂糖を入れ、
彼に飲ませてあげた。
次に行く星はどこの星なのかと尋ねると、
もうすぐであなたの星ですよと、これまた丁寧な口調で言った。
石粉粘土。木材。
アクリル彩色。
本体 縦:約57cm(台座部分含む)。
横:約27cm。
奥行き:約40cm。
※こちらの商品は、植田明志個展「風の祭-KAZE Fes-」会期終了後
(2018年11月4日以降)の発送となります。
※こちらの商品はラッピング対象外となります。