「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志(うえだあきし)。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
「スペースネイティヴの英雄」と題されたオブジェ作品。
頭に流星の骨を被った宇宙の原住民「スペースネイティヴ」。
その伝説の英雄を造形した作品です。
【スペースネイティヴ】
流星の骨を被る宇宙の原住民、スペースネイティヴ。
僕らの目に見える流れ星は、全身を燃やされて消えた後、
骨にだけになってどこかに落ちる。
スペースネイティヴ達はみんなが寝静まった後に、いそいそと宇宙から降りてくる。
彼らはそっと流星の骨を拾うと、30秒だけよいよい歌い踊ってまた帰っていく。
その骨は彼らの、星拾いのお祭りに捧げられたあと(ここでも歌い踊る)、
500歳の誕生日を迎えた子供に被せられていく
(それまでの子供には、流星の骨を被れるように加工するときにでる小さな欠片を、
お面のようにして頭に括りつけていた)。
その骨は、思考、感情、人間性を読み取り、歳を重ねるにつれて
大きさや形も変わっていくのだという。
彼らスペースネイティヴは、この限りなく広大な宇宙の中に、
少人数ではあるが確かに生き、生活している。
「スペースネイティヴの英雄」
スペースネイティヴには、伝説の英雄が存在する。
彼の被る流星の骨は、彼の勇敢な性格を示すように大きな翼に成長し、
竜のような長い尻尾になっていた。
彼はブラックホールに飲み込まれそうになった流星のため、
自らブラックホールに入り、流星をひっぱりだして救出したという。
その後、彼の姿を見たものはいないが、
きっと今も宇宙のどこかで彼は生きているだろう。
ースペースネイティヴ伝説よりー
石粉粘土。
アクリル彩色。
縦:約79cm(台座含む)。
横:約39cm。
※こちらの商品は、植田明志個展「風の祭-KAZE Fes-」会期終了後
(2018年11月4日以降)の発送となります。
※こちらの商品はラッピング対象外となります。