斧原由季の絵のメインモチーフである心臓や、脳、昆虫などは
トロンプルイユ(騙し絵)のように見る者を惹きつける不思議な美しさを湛えています。
そこに描かれるのは、擬態と寄生を繰り返し、刻々と姿を変えながら生き延びて来た生命そのものであり
溢れるような生命の息吹と死という両義性を感じさせるものとなっています。
骨盤をモチーフにした大型の平面作品「F夫人」。
「私を産んだ母のそのまた母の眼差しの遺影」
作家・斧原由季の祖母をイメージし、昆虫や植物などが混ざり合った幻想的な趣の作品です。
手漉き紙。アクリル。鉛筆。パネル。
103 × 73。