『月の旅人』
「月灯りは彼らを導き、夢を見させる。
それは思考の歩みを想像的に表し、外灯のない暗い山道へと手を引く。
「何処まで行くんだい?でも僕は貴方の事なんてお構いなしさ。」
誰もいない丘の上で、光はある種の核心としてを象徴し、それを循環し続けていた。
朱色から藍色の間、瞬間的なグラデーションを描きながら、唄が聴こえた。
誰も気づかない30万光年の遥か彼方から
それは宇宙の灯火となって、
永久に叫び、勇み、輝き続けている。」
何処かの旅人はそこまで筆を走らせると、
蝉の抜け殻の様に横たわるそれを見て、少し笑った。
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