「記憶」を媒体とした空間造形から、
ある種のノスタルジーを感じさせる世界を表現する造形作家 植田明志。
無音のような静けさと、理想的な深層心理の核心を探求する、
その作品世界は見る者の心に深い余韻を残します。
切り株の中から顔を覗かせるカタツムリを表現したヴィネット型の作品「雨上がりの夜」。
緻密に造形された木や茸など植物の質感と、宇宙のような濃青に彩られたカタツムリの体表の
コントラストが見事な作品です。
石粉粘土 アクリル彩色 油彩 セラミックスタッコ
「雨上がりの夜」
雨上がりの夜の話。
雨に打たれた、切り株の洞の中が気になりました。
寂しい感じもしたし、優しい雰囲気でもありました。
中で、誰かが歌ってる様な。
きっと、切り株の中の宇宙は、果てしなく綺麗なのだろう。
長い時間をかけて、風の様に過ぎ去る世界をずっと見てきたのです。
次の雨は、いつでしょうか。
切り株の中の、輝く星達を、はやく僕は見たいのです。