日常見ているものたちとは異なる
もうひとつの美しさ。
奇異なるものを愛するあなたへ送る
Ana-morphilia の作品たち。
手にとれば新たな扉が
開けるかもしれません。
毒物を含んだ飲み物、食べ物から守ってくれるとされる神々の植物
「モーリュ」を象ったスプーン。
持ち主に害を成すものを感知すると、
その目が静かに瞬きするという...
神々の間で "モーリュ" と呼ばれる植物。
古代ギリシャのホメロスが記した叙事詩『オデュッセイア』では
魔女キルケーにより出された、毒物を混ぜた
"キュケオーン" という飲み物に対し、
英雄オデュッセウスは、ヘルメースから授けられた
"モーリュ" という薬草を用いて、毒の魔法を打ち消したといいます。
真鍮製。燻し仕上げ。
全長:約12cm。
【ある蔵にて】
これはいつの頃からか
ある蔵に人知れず存在した食器の話。
いつからあったのかを知るものはいないが
蔵の主人はずっと以前から手元にあったかのように
その食器たちを愛でる。
この花は特定の匂いや味に反応し、静かにまばたきをする。
それは主人が口にしてはいけないもの...
だが主人は何も考えず、何にも気づかず
それを口にしてしまう。
花は何かを訴えるかのように静かにまばたきをするが
誰もそれに気づかない。
やがて主がいなくなったその蔵から
食器たちは跡形もなく消えてしまう。
また新しい主人を求めて
瞬く食器たちは夜を彷徨う...